2025/06/05
被せ物が何度も取れて、近くの歯医者で治療したが、すぐ取れるのでしっかり治したいとセカンドオピニオンでご来院されました。
右上の前歯(2番)破折の確認をするために被せ物を外し精査したところ、神経の部屋の床の部分「髄床底」付近に穴が開いている「パーフォレーション(穿孔)」が見られました。
また、もう一根管違う根管を作ってしまっていた。
患者様は「早く、しっかり治したい。再発をなるべく防ぎたい」と希望されていたため、以下の治療を提案しました。
1:根管治療を受けた歯に対して再び根管治療を行う「再根管治療」
今回は、歯根の内部を徹底的に洗浄・消毒して細菌を除去するために、歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を使用した「精密根管治療」を行います。
2:再根管治療後に新しい被せ物を作製して装着する
新しい被せ物は、「ジルコニア」を採用しました。ジルコニアクラウンは適合性が高く、歯との間に隙間ができにくいため、細菌感染の再発防止が期待できます。また、当院の技工士が高い精度で調整しながら作製することが可能です。
まずは、マイクロスコープを使って歯根の内部を丁寧に清掃し、感染した組織を取り除きます。その後、根管内を殺菌し、再び細菌に感染しないようしっかりと密閉しました。
2回目の受診時には、しなやかで耐久性のある「ファイバーポストコア」を根管に立て、被せ物を支える土台を作製します。その後、仮歯を装着し、4ヶ月間の経過観察を行いました。
3回目の受診時には、CTの撮影をして以前歯根の先に見られた炎症や膿の有無を確認しましたが、問題がなかったため、歯の型取りをしてジルコニアクラウンの作製を開始しました。
最後の受診時には、完成したジルコニアクラウンを装着し、噛み合わせに問題がないことを確認して、治療を終了しています。
約20万
その後も再発はせず、定期検診に通われています。
・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です